Tastaturbelegung

前からずっとこうだっけ?
ホームポジションが左に寄ってるのって。
と、今年になって初めて思った。

いままでずっとそうだったのにいまさら気がついたのは、
もちろんきっかけがある。
寄る年波か、腱鞘炎っぽくなることが多くなったからだ。
そういえば打ち間違いも増えたなあ。

エルゴノミクスキーボードとかを探していると、
体に優しいだけあって大きめで持ち運びには向かなさそうだったり、
Macに対応してなさそうだったり、
Bluetoothのものがなさそうだったり、
と、及び腰であった。

また、qwerty配列が不自然なのかなあ、
親指シフトとかDvorakとかに乗り換えた方がいいのかなあ、
と考えて見たりもした。
が、それぞれ日本語と英語を念頭に置くものなので、
ドイツ語入力が多い私に取って、
やっぱり及び腰であった。

そうこうしているうちに、
痛くなるのは左手首ばかりだなあと思い至る。
で、改めてキーボードを見ていると、
ホームポジションが左に寄っているのに気がついたわけだ。

疲れて打ち間違いが多くなってきたときに、
姿勢を正して向き合うと、
なんと、左右で手首の角度が違う。

右手は左方向にだらんと広げておけば
タッチパッドからなにから全部カバーできる。
けれど、左手は、右手と同じようにしていたら、
パームレストからはみ出してしまう。
右方向にだらんと流しても左手でカバーしたいキーにきちんと届かないので、
手首をしっかり曲げて、キーボードに対して垂直にしなければならない。

これでは左手首がやられるわけだ。
加えて、打ち間違いが多くなったと書いたが、
こうした不自然な手首では打ち間違えるのも当然で、
統計を取ったことはないが、
おそらく左手の担当するキーの間違いが多いだろう。
その打ち間違いを修正するのがdeleteキーだが、
こうしてみると、右手の配置に対して、
deleteキーがえらく遠いのにも気がついた。
自分の動きを観察してみると、
「小指を伸ばす」レベルではなく、
右手首をぐいっと右側に曲げて、
いや、右手を外側に振り払うようにして、
はじめてdeleteキーに届いていた。

きちんと入力するには左手首を不自然に曲げなければいけない、
ただでさえ不自然なのでミスタッチが起きる、
ミスタッチを修正するには右手をホームポジションから離さなければならない、
左右両手がしっちゃかめっちゃかである。
吉本並みのベタなギャグではないか。
なんということだろう。
寄る年波、ではなく、構造的なものだったのだ。

と、ネットを探して見たら、みつかった。
もう2年前の記事だが。

そうか、普通のUSキーボードなら、ホームポジションが真ん中になるんだ。

私がいままでJISキーボードを使っていたのは、
単純にキーの数が多いから、
つまり直接入力できる記号が多そうだ、
と思っていたからなのだが、発想が逆だったのだ。

JISキーボードは、
まず「かな」の数だけキーを増やして、
USキーボード的には余ってしまうキーに、
適当に記号を割り振っていただけなのだ。
そういうやっつけ仕事に
何十年も付き合わされていたのだと思うと愕然とする。
ローマ字入力である以上、
「かな」キーに付き合う必要はすでにない。

なにかひとこと。