Ave Verum Corpus – Teil II

Ave Verum Corpus 第2行

*テキスト*
vērē passum immolātum in cruce prō homine

*構文*
この行は、passumとimmolātumの二つの中心があって、前者にはvērēという副詞が、そして、後者にはin cruceとprō homineの二つの前置詞句がかかる。

*各単語*

vērē
adv [verus] 本当に、実際に、正しく
< vērus -a -um, adj 同前

passum
前列の中性名詞corpusを主語とし、ここでは省略されているestとともに三人称単数完了形を作る、patiorの完了分詞。
< patior -tī passus sum, tr dep 受ける、こうむる、耐える、我慢する

immolātum
先のpassum同様、前列の中性名詞corpusを主語とし、ここでは省略されているestとともに三人称単数完了形を作る、immolōの完了分詞。
< immolō -āre -āvi -ārum, tr in-/molaささげる、供える

ただし、passumが能動態であったのに対し、こちらは受動態。

in
prep <+abl> I <+abl> 場所的 II <+acc> 方向的

英語のinにほぼ同じ。後続する名詞が奪格ならば、…に、と場所を意味し、対格ならば、…へ、と方向を意味する。ここではcruceという奪格の形の名詞が続いているので、十字架において、という場所を意味していることがわかる。

cruce
cruxの単数奪格(inが奪格支配なので)。
< crux crucis, f 十字架、拷問; 苦痛; 災難

prō
prep <+abl> …の前に、…のために、…の代わりに

英語のforにほぼ同じ。

homine
homōの単数奪格(prōが奪格支配なので)。
< homō -minis, m,f 人、人間

*まとめ*
「あなたは本当にお苦しみになった。そしてひとびとのために十字架で犠牲にされました。」

ここも「あなた」(2人称単数)とは明記されておらず、むしろ3人称単数を主語としているのだが、それが前の行の「corpus」のことを指しているのは明らかなので、同じく「あなた」としてみた。

(つづく)

なにかひとこと。